西尾塁の日記

西尾塁オフィシャル日記

酔いどれの華

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明けまして36日目。

むかしむかし、

実家の隣に突如引っ越してきた

通称「ヤス」というオジサンが

ロバートデニーロにかなり似ていた。

ここまでカッコよくは無いのだが、

髪型、鼻の大きさ、輪郭などはかなり近い。

 

小学生から大人になるまで

とても可愛いがってもらい、

気が付けば年の半分ほどは

隣家、ヤスの家に入り浸ってた。

僕の人生では父親の次に影響を受けた男。

 

無茶苦茶さというか

破天荒さを見せつつ実はかなりの

小心者というキュートでコミカルな男。

そしてユーモアとセリフが脳に訴えかける。

いまだにヤスのゴールデン台詞は、

僕の子供たちに伝承している。

いわば、血縁のない孫が存在している。

 

 

亡くなったときは何故か他人の僕が

遺影を持って火葬場に行ったくらい。

現在でも愛してやまない。

僕の身体と精神を作ってくれた

たまたまの隣のオジサン。

 

そんなこんなで

ヤスの息子さんとも

いまだに仲良く、釣り仲間、

人生の兄貴として尊敬し、

彼も「弟」と僕を呼んでくれるまでになり

「ヤスは映画の題材になるかもしれんから、

 家族ならではのエピソードをもっと教えてくれんかな!」

それからLINEの応酬で、

兄が送ってきたもの、を僕が清書して

「ヤス」が主人公の実録映画シナリオを

書いてみたのでお披露目。西尾塁

 

「酔いどれの華」

貧しい家庭で育った主人公は

働きながら定時制高校を卒業し

タイル職人の道を目指す。

バブルの好景気に乗り、

持ち前の調子の良さと豊かな気風で

会社をおこし親方となるが、

アルコール依存が発症した。

最愛の妻と3人の子宝に恵まれ

順風満帆に見える主人公は

外面では見えない裏の顔があった。

出来事を誇張したり吹聴することで

並外れたユーモアを発揮する反面、

神経質で気が弱く、やがては孤独感に苛まれていく。そんな中、バブル崩壊の波が押し寄せ

経営難からアルコールに溺れ、

自身の尊厳まで見失い、やがては闘病生活に入る

妻は早逝し、さらに孤独に呪われた主人公は

成人した3人の子供たちに見守られながら

人生最後の心の嘆きを叶えようと

ヤンキースの帽子を被り、

公園で鳩にエサをやり、

夜な夜な祇園の高級クラブを呑み歩き、

自身の数奇な運命を全うしていく。